せやな。

チラ裏なのだけれども、最近チラシ無いので。

正月に見たコンテンツのメモ

全体的に否定意見が多いのは、良い所を言語化する能がないからです。

深夜アニメしか見ていない人間なので、感性が深夜アニメに飼いならされています。

 

■竜とそばかすの姫

 SFにはまっている最近の自分としてはシナリオに不満足な一本。本作はべつにSFとして見たわけじゃないけど、話しのつながりとか感情の機微とかに理由を求めがちなので、自分が厄介な客になっている。

 竜が最初に暴れていた理由とか、歌えないにもかかわらず合唱部に入った理由とか、正体をばらすときに気にすることは積み上げてきたことではなく、将来顔がバレているリスクに対して気にするでしょ?とか。腑に落ちない話の山。

 しかし、めちゃくちゃ泣いた。引くくらい泣いた。泣けた理由もよく分からない。多分、過去見てきた映像作品の中で一番泣いた。

 でも見直して泣くとも思えないし、ストーリーはそんなに好きじゃないので、見直すことは無いかも。

 

西の魔女が死んだ

 誤解は人生を彩る。という文章が圧倒的に良い。これに尽きる。

 この本の感想を書きはするものの、忘れたくないからであって、未読の人が読んでいいものではない。ネタバレに危惧する必要はないけれども、この本は最初に感じた印象こそが正解で、解釈が間違ってようがそれでいいのだ。あとがきなんていらなかった。

 

 魔女は比喩かと思いきや実際に居る設定。まあ、ちょっとした奇跡というレベルの話なので、子供をあやすための作り話としての解釈もできなくはない範囲なので良い。

 不登校から立ち直るまでお婆ちゃんが優しく包みこむ話だが、主人公まいの敏感な子供特融の感性。おばあちゃんの優しくオーガニックで少し頑固な感性。母親の親でありながらも人の子供である人間らしい感性。父親の現代(社会人)の考え方、感性。ゲンジさんの見え方、思い込み。友達ショウコとかみ合わないところ。などうっすら子供の時に感じていたことをなぞり振り返ることのできる小説。エピソード自体はあまり起伏が無いけれども、感情の揺れ動き、成長をまいを通して振り返る。温かいとも違う、無い記憶のノスタルジア

 

■われはロボット

 SFが最近好きなので「ロボット工学の三原則」の聖地巡礼として一旦読んだ次第。

1 ロボットは人間に危害を加えてはならない
2 ロボットは人間の命令に服従しなければならない
3 ロボットは自己を守らなければならない

この三原則で1が一番強く、上から順に守らなければならないとされている。

 

 この本を読んだ感想は、SFというより思考実験に近い。ロボット工学三原則に対して矛盾を用意して、そこを小説の中で突いてゆく。ロボットが不可解な動きをしたとき、その理由はロボット工学三原則の中にあるのだ。つまり、各章読む前に「三原則のどこかが悪いんだろうな~」と想像がついてしまい、あまりわくわく出来ない。

 思考実験に近いと感じた理由としては、この三原則は公共の福祉や最大多数の最大幸福で有名な功利主義感を感じるからだ。人間の法律や哲学をロボットに置き換えて外側から見たような。

 

■スパイファミリー(anime)

 面白かった。サクサク進むし悪い奴は気持ちよく倒れてゆく。短い話は15分で終わるので、ギャクとかコメディー作品の分類だ。

 ノンストレスで面白い。エンタメ界のサプリメント

 父精神科医(スパイ)、母公務員(殺し屋)、娘超能力者の仮面家族。設定が薄氷を踏むような設定だが、2話の時点で精神科医とは思えない殺し合いを母に見られているので、この設定にはこれだけ”遊び”がありますよ。って取説を見せてくれる。この作品はこの設定の中で大いに遊ぶ作品なのだろう。辻褄とかどうでもよくなる。

 特に書くことはないくらい頭空っぽで楽しめるのだが、一つだけ書くとしたら、正義に対して拘りがあるらしい。正義という言葉はあまりにも主観的なので嫌い。という人が居るが、自分としては非常に好きな言葉だ。何が正しいかは常に内省して考え続けることであって、独善的で構わないし仕方ない。まあ個人的な思想は置いといて。

 スパイも殺し屋も冷戦の中で平和を求めた結果の職業らしい。日常回でも自信が正義を感じる行動をとっていて、それに反したとき反省をする。こういう思想的に健康(だと僕が感じる)見ていてとても気分が良い。

 

チェンソーマン(anime)

 スパイファミリーと並んで2022年の注目作品だったかと思ったので、続けて見た。

 胸からリコイルスターターの紐が垂れている部分が生理的に無理で見づらかった(これは耐性が無い自分が完全に悪い。)

 恐怖を覚えることが悪魔の力になるので、恐怖を覚えない馬鹿が強いという世界観。ぶっとんでなんぼの世界でセックスのために必死に戦って仲間が平然と死んでゆくという話だった。ざっくり。

 普段から努力して、ひたむきに頑張っている人間に感情移入するのは、日本人が普段から真面目に働きすぎているからなのだろうが、登場人物のほとんどがふざけすぎていて、仲間が死んで悲しんでいる場面もいまいち同情出来ない。横のつながりが希薄すぎるのかもしれない。あと、主人公が不死身の状態でかなりの回数死ぬが、これがあまりにもあっさり死ぬので、物語中の死に対して感情を動かしづらい。

 ジャンプ特有の特訓では頭を使うことが成長として描かれていたが、最終回で頭使ってたか?

 また、本当にどうでもいいことだけれども、ビルなど構造物の破損があまりにも多くて、この世界で経済成り立ってないだろうな~ということが常に気になった。

 他人のレビューを読むと監督を揶揄しているものがあったが、これはほんとに監督の影響だろうか。アニメとしては一級品なので、監督ならびにMAPPAが悪いとは思えないのだけれども、、、

 藤本タツキ先生のルックバックを読んだことがあるけれども、あれは見ている側の感情の揺れをうまく使った緻密な作品だったと思う。チェンソーマンも原作は良いんだろうか?一度読んでみないといけないんだろうな。

 

追記:コミックもマキマ篇?まで読破。普通にアニメの再現度高かっただろ。アニメだけ批判してる人は、相当コンテンツに対しての審美眼があるんだろう。

漫画の良い所は無音にあるかもしれない。セリフが無いページなどは音が無くて静かな中行われるあらゆる行為が独特だった。アニメではそうはいかないものね。

 

 

■呪術廻戦0

 乙骨憂太が入ってきたときの話。こんなに強かったんか。。。という話。

純粋にアクションシーンを楽しむアニメ。シナリオは乙骨に取り付いた彼女の呪いが異常に強くて敵に狙われる。特訓をして敵との戦いの中で解呪できる。という話なので、よくあると言えばそれまで。

 ちょっと違和感があるとすれば、最終戦の援護に五条が遅れるのだけれども、本編アニメの強さ見てたら全然間に合いそうだったのでは?と思ったり。でも、どの作品でもこんなのあるので、全然気にならない話。

 ちょっとアクション映画に対する感想が出てこなくなってる。Fate heavens feel見てた時は作画すげえーーーーっと思ったのだけれども、昨今毎週30分アニメでも作画すげえので、見慣れてきたのかも。感性鈍ってきてる。

 

ジョゼと虎と魚たち

 生まれつき足が動かないジョゼと介護?みたいな立ち位置でバイトする管理人との恋愛話。

 関西人としては大阪が舞台なのに関西弁がおかしい所に違和感。道頓堀が映ってから気になって仕方ない。多分、全国向けのローカライズでこうなってるんだろうけど、あまりにもひどい。

 主人公の無神経がちょっと気になった。入るなと言われていた部屋に入ったり、「ジョゼ」が本からとった呼名と分かった後もわざと人前で「ジョゼ」呼びをしたり、電車やクレープなど事あるごとに「~~は初めて?」と言うこと。僕は人をからかわないので見てて腹立つ。ジョゼの尊厳が削られているようで。これは多分僕がデリケートすぎる。

  

アバター (1)

 SFだから見なさい。と紹介があって見たがこれはSFではなくアクション映画でしょ?って。言い換えしたくなった作品。

 ジュラシックパークを見た気分。絵力は強かったけど、昨今この手の映像作品に感想を抱きにくくなっている。感性の劣化が激しい。

 見方を変えてメタファーを探したところ、これは反戦争主義の映画だなと解釈した。アメリカ軍人を如何にもな形で表現し、金と力を敵に回し、自然保護側を主人公側とした。本来ならエイリアンを退治する絵の方が好かれそうな気がするが、判官贔屓な構図。珍しいんじゃないだろうか。(あんまり洋画見ないので知らないけど。)(ワイルドスピードみたいに豪快でアメリカンジョーク飛ばしまくる映画が好かれるもんだと思ってる。)ナヴィの人々が傷つくシーンや自然が破壊されるシーンをかなりスローで魅せるのは映像美というよりかは、罪悪感や悲壮感を視聴者に抱かせたいのだろうと思うので、戦争で流れる血や環境破壊を憂いていると見た!ほんと無理やりに解釈した。

 

アバター (2) way of water

 水棲部族編となる。これは映画館でみた。ストーリー自体の構成は正直1と同じ。シナリオの無茶な部分、矛盾が増えた。人の記憶をナヴィに定着させたり、クジラの戦闘力など、ツッコミどころはキリがない。しかし、対立構造を作るには仕方ないのでまあ許容しないとフィクション見れないので、無視。

 相変わらず、自然破壊や原生生物の殺傷などインパクトを与えるように作っている。前回から変わらず面白さの大半は映像美だと思う。

 大きく変わった点と言えば、主人公が戦う理由だ。敵の戦う理由が私怨という一番面白みに欠ける理由なので忘れがちだが、主人公は前回原住民を背負って戦った。今回は家族を背負って戦った。なので、主人公も敵もスケールダウンした形になる。この影響で兄や弟、母などの感情の変化が分かりやすくなっている。子供を守りたい、兄の仇など、各々微妙に違う目的を感じ取れる。

 

 どうでもいいけど、人から勧められた作品はハードルが上がるので、好きになりづらい。SFとして紹介されたならなおさら、なにかしら謎の追求みたいなものがあってほしいと願うばかり。

 

サマータイムレンダ

 ばちばちに面白い。タイムリープもの。タイムリープと言えば伏線だが、どこで何を回収した?みたいな伏線と回収のつながりが分かりづらいものはない。明解に回収してくれる。

 毎回あっと驚く回収があるので、タテの国を読んでいるときと似たような快感がある。これはSFと関係なく好きな人は多いことだろう。「あ~あの時の!」ってやつ。みんな好きでしょ。

 また、全体的にXデーの解像度を上げていく動きがある。この分からないものの解像度を上げていく作業こそが(個人的に)SFの真骨頂だと思う。シュタインズゲートが好きな理由もそこにあるかもしれないシュタインズ・ゲート世界線を探す作業が面白いのだ。決してSFだからと言ってブラックホールの先、4次元空間で全部解決しちゃうのは好きじゃないんだ。

 後全体的に、腑に落ちない部分が無い。もちろんタイムリープの時点であり得ないと言われればそれまでだが、それらのSF設定は理解した上で時系列の矛盾みたいなものが見つからない。(もちろんあるのだろうけれども、一見みあたらない)

 気持ちよくSFを見たい人にピッタリの作品だと思う。

 

 ただ一つだけ分からないものがあって。影潮がハイネの片目なのは分かるけれども、龍之介が死ぬタイミングから海辺で撮るタイミングまで時間がズレまくっているところの解釈だけは知りたいところ。4次元設定かな?

 

 

■正月総評

 普段、深夜アニメをつまみ食いするくらいしかコンテンツを見ていないので、こんな量を一気に見たのは初めて。死ぬほど疲れてる。

 SFとして好きなものはかろうじてサマータイムレンダ。個人的にはもう少し回収しない伏線があると、世界に奥行を感じるのだけれども。。。タテの国然りサマータイムレンダ然り、納得もするし、面白いけど、風呂敷を綺麗に畳みすぎる作品が多い気がする。

 その他、普通に好きな物は西の魔女が死んだ。これは何度も読みたい。子供の頃の感性を取り戻す最高の一冊。勧める人は選びたいところ。情緒とかわかんない人は読んでも仕方ない。

 

チェンソーマンはここまで評価されてるんだから漫画を一回読んでみたい。という気持ちと、どうせ読んでも好きになれないよな~という葛藤の中で2023だ。三体読むほうが急務だろうな。