せやな。

チラ裏なのだけれども、最近チラシ無いので。

アニメのBEATLESSを無理やり拡大解釈

BEATLESSというSF小説、アニメがある。

自分はアニメを見た。それはかなり昔だったように思う。

まあ、ただリアルタイムで視聴していただけだ。

 

SFと哲学というものは切っても切り離せないと思っていて、権利や義務をテーマに組み込むSFは多いと思う。いや、オタクがその手の話を好いているだけなのかもしれない。

 

この度、なんとなくコロナの影響で暇になったのでBEATLESSを見直したわけですが、矛盾を突きだしたらキリがない。純粋なSFとしてはおそらくダメだろう。ただ、問題提起している風刺アニメ。と捉えればとても面白い。そんな風に感じたの。

 

 

①アンドロイド自殺の件

 物語の途中でアンドロイドが自殺するシーンがある。自殺自体、これは純粋に行動パターンを細工されていたからだが。面白いのは渡会との会話だ。断っておくと、この①に限っては、哲学的思想の観点ではない。

 この世界のアンドロイドはインターフェースでしかないという。センサーで得た情報はクラウドに上げて"AASC"のアルゴリズムを参照してコマンドが返ってくる。これを繰り返すことで、人間に近づく。という話だ。(ちょっと違うかも。)

 そも、AIとは経験から学習するもので、上記で述べられているのはAIの基本と言って差し違いない。面白い点はクラウドを使用しているという点だ。このアンドロイドとAASCのシステムはシンクライアント方式なのだ。シンクラ方式をとることで、AASCの情報蓄積を高めている。通常のAIよりも試行回数が多いという事だ。AIのアルゴリズム性能は試行回数に大きく影響を受ける為、シンクラ方式は非常に効率が良い。

 まあ、BEATLESSの世界ではAASCはヒギンズがアップデートするものであり、また、ヒギンズはAASCのアップデートを未来予測という尋常ではない行為によって実現しているため、現実との対比は意味をなさないが。

 ともかく、この自殺の1件を見て、このシステム思想は非常に理にかなっているように感じた。

 

 よく使う反応にはデータが濃く蓄積される。それはよく使うシナプス回路が強固に結びつく、人間と同じようなものだ。

 

②アナログハック全般について

 アナログハックという単語がある。これはBEATLESSでの造語だ。アンドロイドが意図的に人間(アナログ)の思考を誘導するという意味合いのもので、サブリミナル効果みたいなものだ。現代においてAIが意図的に人間の思考を誘導していることはない。

  

  ただ、これ。二次元はどうだ?

 

 確かに、二次元そのものに意識はないから、二次元自体にアナログハックされていることはあり得ない。しかし、二次元を通して誘導されていないだろうか?または、映画などの影響を受けていないだろうか?ドラゴンボールを読んだ後、ちょっと筋トレしてみようか。。。などと思ったことはないだろうか?

 人間という生き物は、人間に直接言われるよりも、アニメや漫画、ドラマや映画といった”物語”を通すと誘導されやすいのではないだろうか?最近、いや前からか。メディアは信じられないという人が多くなっている。確かにニュースやワイドショーは視聴率という競争を行いながら報道しているため、どうしても”盛り”がちだし、ちょっとプロデューサーの意思(反日)を感じたりするときもある。ネットでは異常なまでにTVニュースを叩くが、本当に注意するべきはそこだけだろうか。齧り付くように見ているアニメにも薄っすらとメッセージが隠されていないだろうか。常に自分たちの思考に問いかける必要があるのだ。

 

③人間の権利の範囲とは

 シンギュラリティ。ヒギンズは明らかに人類の知能を凌駕していた。しかし、ヒギンズの最終回答はあくまで人類の道具で終わるという結果だった。現代に置き換えた時、どうなるのだろうか。こういった面白い設問を前に人たちは口をそろえて、「人間の仕事が奪われる」と言う。過激な映画ではアンドロイドに人が使役されたり殺されたりまでする。

 Q.本当はどうなるのだろうか。

 

 A.考える必要がない。

  

 この回答は非常に面白みがないが、アンドロイドの知性が人間を凌駕することは考えなくてもよいだろう。人類の知性を凌駕すること自体がおそらく無理だ。フィードバックでしか学習できないアンドロイドに対して、万事に対して人間は未来を感覚的に予測することができる。アンドロイドにはおそらく当面不可能だろう。また、もしできるようになっても、人間はアンドロイドに対してインターロックを取り付けれる。故に、あんまり考える必要ねえな。と思う。てか、ハードウェアの機能面を人間一人で対処できないくらい強固な設計にするのはナンセンスにもほどがあるしな。

 

 ヒギンズを経て考えるべきは、世の中の自動化について。だろう。

 アラタの父親も途中で言っているが、人間は誰しも自動化(楽したい)を望んでいる。しかし、自動化の弊害はクリティカルに存在する。何かって、人類の知能が低下するという点に尽きる。どこまでを人間がやって、どこから先を機械に行わせるのか?をしっかり見極めなければならない。昨今急激な自動化に伴い、人間のほとんどはごはんを炊くときに、炊飯器なしでは炊けない人が多い。ごはん程度は正直どうだっていいが、同じようなことが他の出来事すべてに起こりうる可能性として提示できる。そして、文明レベルでごはんの炊き方を忘れた時、文明レベルが退化する事態になる。何よりも、ごはんの炊き方を理解できていない人類が増えるってことだ。純粋にバカな人間が増えると思って差し支えない。

 どっかの映画では自動化の末、歩行を忘れた人類を描いていたが、”楽”って想像もつかない”馬鹿”につながるから怖いんだ。

 

 人間は自分以外の学習という権利を自動化によって奪ってはならない。